PLAYZONEと私(6)
みなさん、夏本番ですね。お元気ですか。
私ですか? 寝違えて首と肩が痛くて仕方がありません。なんだか右手も若干痺れて、今回の寝違いは重症(私の独断と偏見での診断結果)な感じです。
昨夜も背中にロキソニンテープを貼るのに難儀し、大変悲しい思いをしました。
でも!
この悲しみを蹴散らかしてくれるのが我らが少年隊のPLAYZONEです。
では行ってみましょう。PZ’88 カプリッチョの後半です。
ちなみの今回も、錦織氏への偏愛に溢れた内容です。許してください。
(そしてネタバレ全開ですのでご注意ください)
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「ぜ!」
小南くん(かっちゃん)は、ブルースターを盗もうとする怪盗ミケシュを捕まえること、そして怪盗ミケシュをどちらが早く捕まえられるか尊敬する明智先生と対決することになり「やったるぜ」を歌って気合を入れます。
でも、天使さま(東山氏)と魚屋カズキヨ、違った、悪魔くん(錦織氏)は帰ろうとしません。それで小南くんは「枕ぶつけしよう」とか「エッチな話しよう」とか持ちかけます。
ところで、私、関西生まれ関西育ち職場も関西という生粋の関西人ですが、
「枕ぶつけ」
という言葉を初めて聞きました。
「枕投げ」ちゃうんや…。
関東の方は「枕ぶつけ」というのでしょうか。
それはともかく、小南くんは天使さまに「どうして君はそうガキなの💢」と怒られます。まあそりゃあそうやんな、枕ぶつけだのエッチな話だの、対決する前に話すことちゃうし、だいたいどうでもええことやしな…。
天使さまは「明日から、探偵明智小六と怪盗ミケシュを相手に男と男の闘いが始まるんだぜ!」と忠告します。
そう。
この頃から東山氏のセリフには語尾に「ぜ!」が付くことが多くなるのです。今時「ぜ!」なんて言ったら「あんた、何カッコつけてるねん…」と突っ込まれるでしょう。きっと「ぜ!」と言っても許されるのは常にシュッとしている東山氏だけなのだと思います。みなさん、そう思いませんか?
さらに天使さまは「そんな調子だから、悪魔にみたいなやつにつけ入れられるんだよ」と注意します。
それを聞いた悪魔くん。
「いやちょっと待って。あのね、俺は悪魔みたいなやつ、じゃなくて、正真正銘の悪魔なの」と。
ここで「悪魔なの」と言った時のカズキヨのかっこよさよ…(鼻血)
んもう、表情がキリッとして悪魔っぽい(かっこいい)。
そして天使さまは「自分の意思を持ってしっかりやらなくちゃ」と小南くんを叱ります。
こんだけ天使さまに突っ込まれる(数えますと4回突っ込まれます)と、自信なくなりますよね…(涙)
小南くんは「僕探偵に向いてないのかな」と不安になりつつ、「名探偵のブルース」を歌い踊り、明智先生と怪盗ミケシュとの対決を目前にとりあえずお休みします。
あ、もちろん、
ベッドは小南くんの分身である天使さまと悪魔くんも一緒です。このベッドに潜り込みたいと思ったのは、私だけではあるまい…。
夢の中にはまた、あの可愛い少女が登場します。
あの少女は誰なのでしょうか…。
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顔面真っ白な財善金四郎(ベンガル)
場面は変わりまして、財善氏の華麗なるお屋敷になります。
そして登場、財善氏!なんと!
財善金四郎(ベンガル)の顔が真っ白
財善氏はマジックの使い手でもありまして大変魅力的なのですが、なぜか顔面真っ白で「バカ殿さま」みたいな感じ。のちに「シェー」がどうのと言っていたりしますので、バカ殿さまに影響されていたことは間違い無いのでしょう。ほんとかどうか、機会があればベンガルさんに聞いてみたいです。
そして財善氏の一人娘として紹介されたのがジュリアン。
そうです。いつも夢の中に出てきたあの少女!
さらに財善さんの奥さん・勝力(かつりき・松居一代)さんは「ジュリアンは小南さんに守ってもらいましょう」と言ってくれました。
おかげで小南くんはジュリアンと一緒に過ごす機会を得るのです。
小南くん、がんばれ!
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PZ’88 カプリッチョ中の名場面・池にハマるアレ
二人でいることにお墨付きをもらいましたので、小南くんとジュリアンは噴水のあるお庭で過ごします。
悪魔くんは「一気にやっちまえ!押し倒してモノにしちまえ!」とけしかけます。
天使さまは「恋は過程が大切なんだ、ロマンチックに!」とアドバイスします。
どうやら天使さまも悪魔くんも小南くんより恋愛経験豊富な感じで、色々助言してくれます。
さて。
あなたは天使さま派?悪魔くん派?
私ですか?そりゃもちろん…(以下省略)。
そしてこの辺りから、魚屋カズキヨのダジャレタイムが始まります。
もちろん天使さまも、シュッとした恋愛指南をしてくれます。
「どうも君に恋をしてしまったらしい」と言えば良い、などと助言してくれるのです。きっといつも直球で愛を囁くのでしょうね、東山氏って❤️
しかし、その後ろで悪魔くんが
「錦鯉」に。どうしてそうなった…。
そんなこんな(どんな?)なのですが、小南くんとジュリアンは良い雰囲気となり、ジュリアンが「笑平さん、あなたと踊りたい」と言い出します。
するとロマンチストな天使さまはお歌(「愛の園の恋人たち」)を歌ってくれます。
でも、その間に噴水で手を洗っていた悪魔くんは植木で手を拭いてみたり(でもよく拭けない)、天使さまの歌と共に現れたダンサーさんのドレスで手を拭いたり(一応、謝ってる)やりたい放題です。
そうこうしながらも二人は良い雰囲気となるのですが、鐘が鳴ります。
おそらく日付が変わる鐘だったのでしょうね。
小南くんの時間は止まってしまったようで、動かなくなります。
ジュリアンは「お部屋に戻らないとパパに叱られるわ」と去ってしまいますが、小南くんは動けないのでジュリアンが走り去るのを止めることができず…。
天使さまも悪魔くんもジュリアンを見送るしかないのですが、ここで、例のあの、あれが起こります。
そう。
魚屋カズキヨ池にはまる事件!
噴水の際に立っていた悪魔くんが、思わず池にハマってしまうのです。
観客も笑いますが、時が止まっているはずの小南くんは笑いを堪えて小刻みに震えます。天使さまも笑いを抑えようとして次のセリフの声が裏返ってしまいます。
どうやら、一説によりますと、ジャニーさんが「池にはまれ」と助言したようですね。もしかしてジャニーさんも落語とかお好きだったのか…。
その後、悪魔くんは小南くんに「お前の夢を叶えてやろう」と持ち掛けます。
明智小六との勝負に勝ち、ジュリアンとの恋も成就させてあげる。そのためにブルースターを盗んで明智氏の胸ポケットに入れてしまい警察を呼べ、と。つまり明智氏に濡れ衣を着せろ、と言うのですね。
さすが悪魔くん。本領発揮です。
そして「デビル・イン・ユア・ハート」を歌い踊ります。
この悪魔くんに惚れてしまったファンは多数いることでしょう。
私も、この場面は劇場で見たかった(当時わたくし中学生。とても東京になど行けませんでした…_| ̄|○)
とにかくかっこいいのです。
バックダンサーもキレキレです。
というか、バックダンサーの皆さんプロの踊り手だと思うのですが、錦織氏の体の使い方が綺麗で際立ってます。
ほんまにすごいよ、カズキヨ!
大好き!
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明智小六先生が金ピカに
そしていよいよパーティーが始まります。財界政界芸能界、占い師まで招待されている盛大なパーティ!
悪魔くんの囁きに心惑わされながらも、自分を取り戻そうとする小南くん。
どうしよう、どうすればいい…。
パーティ会場から離れて苦悩していた小南くんは、誰かが屋敷に忍び込み金庫室に入っていくのを、偶然目撃してしまいます。
誰なんだあれは、もしかして…。
パーティー会場では、財善氏がブルースター(時価7億円)を空中大移動させてみせましょう!とか言って、自慢しまくってます。そんなアホなことしてるから案の定、ブルースターがなくなります。あれ?どこいっちゃったの?空中大移動するはずが出てこないよ…。
すると高笑いが聞こえて、空中ブランコに乗った金ピカマントに紫の腰巻き(胸元を飾るのは「m」マーク)を身につけた怪盗ミケシュがが登場して、ブルースターを奪っていくのです。
ジュリアンは「それはパパとママの大事な記念のダイヤ!返して!」と怪盗ミケシュを追い、高いところから転落してしまいます。小南くんは必死に助けに行きますが、ジュリアンは息絶えました…。
うう…。ジュリアンかわいそうに。
そして小南くんかわいそうに。
財善夫婦も悲しみますが、わたくしは「あんたらがちゃんとしてへんからこんなことになったんや!!!」と怒り狂いました。
我らが天使かっちゃん(→いや、小南くんです)にこんな悲しみを味合わせるなんて許せん💢
悲しみに狂いそうになりながらも冷静な小南くんの指示で、警察が呼ばれます。
そして登場したのが警視庁・田目警部。この方、警察の方なのに無闇矢鱈に発砲します。流れ弾に当たって次の犠牲者が生まれそうな勢いです。「ご安心ください!」と言いますけれども、バンバン打ちまくるのでパーティー会場にキャーキャー悲鳴があがりちっとも安心できません。
そこへ明智氏が戻ってきて「怪盗ミケシュはもう逃げてしまった」と言います。私の推理通りに怪盗ミケシュが出てきたので捕まえようとしたのだが、取り逃したのだ…と。
でも小南くんは「怪盗ミケシュはまだこの中にいる!」と指摘します。
「小南、狂ったか」とびっくりする悪魔くん。
天使さまは「いや目を見ろ。真剣だ…」と悪魔くんを窘めます。
「かっちゃんが真剣」と言うシチュエーションのせいか、会場から笑い声が…苦笑
いや。かっちゃんは男の中の男。
かっちゃんが本気になったらめちゃんこかっこいいんやぞ!笑ったらあかん!
そして小南くんはこの犯罪の謎解きをします。
犯人は明智小六だ!
明智先生が怪盗ミケシュだ!
明智先生もびっくりしつつ、「よく見破ったなーと小南くん」と讃えながらスーツを剥ぎ取ると、そこには金ピカ&紫の腰巻き姿の怪盗ミケシュに!
怪盗ミケシュは、ブルースターを取り戻してみろ!とけしかけます。
すると天使さまと悪魔くんの協力で怪盗ミケシュからピストルを奪い去り、小南くんはブルースターを無事取り戻します。
怪盗ミケシュは、小南くん魔法探偵だね〜と褒めつつ、今はまだ捕まるわけにはいかない、とお屋敷から姿を消します。
でも去る前にこんなことを言います。
「娘さんは残念なことをした。しかしこれは私だけのせいではない。財善さん、あなたが富にものを言わせこんなパーティーを開かなければ、娘さんは死なずにすんだ。あなたの見栄と欲とが娘さんを殺したんだと思うがね」
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パーティが終わっても
天使さまと悪魔くんは
「出会いの次には別れがあり、栄えた文明はやがて滅びる。しかし人間の欲望はいつの世にも変わりはない。本当の奇跡を約束する恋も、人は懲りもせず追い求める」
と語ります。懲りもせずか…。
天使さまも悪魔くんも、懲りもせず恋を追い求める人間が羨ましいようです。
しかし、小南くんは「ジュリアンを返してくれ!」「魔法を使えるならジュリアンを生き返らせてみろ!」と怒ります。そりゃそうだよね…(涙)
さすがに天使さまも悪魔くんも人間を蘇らせることはできない。でも、天使さまと悪魔くんは力を合わせ、小南くんの夢の中でジュリアンに会い踊ることができるようにしてくれました。
そこへ占い師さんが出てきて「ほら、私の占った通りになった」「今度君たちの未来を夢の中で占ってあげるよ」と言います。
天使さま・悪魔くん・小南くんたちは、「パーティが終わっても」を歌いながら他の登場人物たちと歌い踊ります。
まさしく夢の中のパーティ!
夢の中では、楽しいことがキラキラする時間が流れているのでした。
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終わりに
改めてこの作品を見直してみて、
かっちゃん、お疲れさま!
と思いました。セリフは多いし、なかなか一人前になれない挫折やジュリアンを失う苦悩を演じることも大変だったことでしょう…。でも我らがかっちゃん、青年の苦しみを見事に演じていました。
そして、「ぜ!」がかっこいい東山氏。
何よりも、
魚屋カズキヨ!!!
もっとイヤラシイ悪魔でも良かったかも、と思うところはあるのですが、Mysteryの時よりうんと垢抜けて声もよく、舞台を自由自在に使って表現しているカズキヨの尊い姿よ…。
そして、三人の素晴らしい演技だけではなく、脇を支える俳優陣・踊り手の技の凄さよ。
そしてそして、さらに。
財善さんが「バカ殿さま」の姿を模していたことや、怪盗ミケシュの「見栄と欲」を痛烈に批判するセリフなどをみていると、実は80年代後半のバブル景気の愚かさを密かに批判していたのか…とも読み取りました。
当時はわからなかったでしょうが、その後の日本がたどった不況を思いますと、この批判は的を射るものであったのかもしれません。
私は舞台は全く初心者なので詳しくありませんが、脚本・演出は加藤直さん、と言う方です。どんな思いを込めておられたのか、聞いてみたい気もします。
Show Timeも素晴らしいPZ'88カプリッチョ。
この作品が好きだ、というファンもたくさんいらっしゃることでしょう。
舞台鑑賞初心者の私も、この作品は真っ先に心に残った作品でした。
素人が言うのもなんですが、本当によく練られたストーリーですし、歌と踊りもピッタリ合っていて素晴らしい完成度だと思うのです。
少年隊ファンはもちろん、たくさんのミュージカルファンにもみてもらいたい作品だなあ、と思います。
だから、はよ!デジタル配信して!
ぷりーず。