PLAYZONEと私(5)
- はじめに
みなさん、ごきげんよう。クソ暑い夏がやってきましたね。
毎日天然サウナのような湿気の中で暮らす私は、息をするだけで精一杯です。
さて、PLAYZONEを語り出して4回がすぎ、これで5回目。
私一人で楽しんでる感じなのでやめとこかしら、と思ったんですが、やっぱりPLAYZONEは見どころ満載で、この作品群をいろんな人に知ってもらう機会になればと思って、引き続き書いてみることにしました。
ということで、今回はPZ’88 カプリッチョ-天使と悪魔の狂想曲-を語ります。
ただし、わたくしは夜中に錦織氏を見て鼻血を流すような人間であること、観劇歴はわずかしかないので、専門的なことは皆目わかりません。
そんなわたくしがただただ「好きだ」というだけで語り続ける暑苦しい記事になることを先にお詫び申し上げておきます。
ところで。
私は以前こんなことを呟いておりました。
錦織氏には時代区分がある。
— ka (@ka_ka0980) 2020年12月3日
①子ニッキ
②美ニッキ
③大人ニッキ
④おじニッキ
どの時代区分にも共通するのは才能と華やかさか。#少年隊 #錦織一清
私的には、PZ’87 TIME-19あたりまでが「子ニッキ」。
そして今回語るPZ’88 カプリッチョは、錦織氏が「美ニッキ」に変貌した時代区分として位置付けています。
ほんまに美しいわ、カズキヨ…。
- 本編に触れる前に-リハーサルはいいぞ!
さてこのPZ’88 カプリッチョのDVDはリハーサルシーンが少し出てきます。
リハーサル、きっとセリフも踊りも覚えるの大変だろうなあと想像します。
そして「リハーサルの映像をまとめて単体でDVDにしてくれないだろうか」などと思うぐらいリハーサルシーンが好きです。
PZ、現在発売中のものの中にもリハーサルシーンなどの特典映像がありますね。
私が好きなのは、これ。
演出・振り付けの方の大変お優しくも暖かい言葉とともに、三人三様のリハーサルシーンが見られます。それぞれがめちゃんこかっこよくて素敵です。
それにしても。
カプリッチョでのリハーサルシーンでは、私は髪の毛をセットしていない錦織氏の爽やかさに感動して鼻血を吹き出しました。
とにかく美しいのですよ…。
(今が爽やかじゃないとか、美しくないというのではありません。今でも、もうほら、どうしようもなくかっこいいじゃないですか…)
ところが、です。
本編が登場したら、なんだか「魚屋カズキヨ」みたいな感じに刈り込んだ髪型になっていて度肝を抜かれました。しかも悪魔の衣装が「ザ・鉢巻」みたいな飾り付きなもんですから、もうどこから見ても「魚屋カズキヨ」。
一体なぜ?
誰があの髪型を許したんや…。
はい、どうでも良いお話でした。
- あらすじを見てみましょう
この作品の主人公は小南笑平ことかっちゃん。
小南笑平くんは私立探偵明智小六の助手だそうです。
この小南くんは「映画の帰り」だったのか、夢の中なんだかに登場します。
その登場時の衣装がなんと
白黒のチェックのスーツ!
(ズボン丈は膝下のニッカボッカーみたいなスタイル)
水玉模様のハイソックス!
こんな柄on柄を可愛く着こなせるのはかっちゃんしかいないな、と悔しいんだか羨ましいんだかよくわからない気持ちになりました。
小南くんは夢の中なんだかで、可愛らしい少女と出会います。仲良くなれて嬉しいな、という感じになっていたら、そこへ「魚屋カズキヨ」いや違った、悪魔くん(錦織氏)が登場して二人の仲を割いていきます。
そうしていると、白い天使さま(東山氏)が登場します。
そしてかっちゃんを間にして、天使さまと悪魔くんが小南くんを取り合いし、小南くんは気を失います。
気がついたら小南くんは銀座の街角で倒れていました。
銀座の街角にはビルだけではなく、電話ボックスと郵便ポスト、そして占いボックスがありました。銀座って都会なのね。
そしてなぜか大都会・銀座には人はおらず、「ほどほど売れてる」らしい占い師だけがいて、小南くんに「君は悪魔に乗り移られて1週間以内に死んでしまう」と言うのです。しかもその1週間以内に、なんだか前代未聞の不思議な体験をするらしい。
その乗り移ってきた悪魔はいろんな指示をしてくるが、その指示に従うと必ず死んでしまう。そこで、悪魔の乗り移った体に天使を乗り移らせるという、中国5,000年の秘宝でもある「お薬」を出血大サービス期間中につき3,000円で売ってあげる、と占い師は言います。小南くんはなんだかよくわからないけど、お金を払ってそのお薬を飲みます。
占い師さんは小南くんの素直さにに感激しておまけでもう1つ占ってくれました。なんでも「君には素晴らしい人生が待っている。1週間以内に素敵な恋人ができる」と。
その素敵な恋人とは、
キノシタトシコさん
アサガカオリさん
ウラベクミコさん
などよりも、もーーーっと素敵な少女が出現して恋に落ちるのだ、と予言して占い師は姿を消してしまいました。
ところで。この三人って誰?
私、上記3人がどんな人なのか皆目検討がつかず。
どなたかご存知の方いらっしゃいますか…?
それにしても今の占いは夢だったのか…ま、夢なら仕事に急がないと、と思っていたら。
郵便ポストから黒い衣装の悪魔くん登場!
ビルの上には白い衣装の天使様が降臨!
魚屋カズキヨ、じゃなかった悪魔くんは「俺はお前。お前の影だ」と小南くんに自分のことを説明します。そして天使さまも「僕も君。君の心だ」という。
どうやら、悪魔くんも天使さまも、小南くんの一部みたいなのです。
小南くんは天使のことも悪魔のことも、信じられない気持ちでした。
小南くんの戸惑う気持ちはそっちのけで天使さまも悪魔くんも小南くんを互いに乗っ取られまいと争い始めてしまいます。
間に巻き込まれる小南くん(ああ、やっぱりかっちゃんは二人の間を繋ぐ人なのね)。
天使さまと悪魔くんの話をよくよく聞きますと、小南くんの人生のいいことは天使さまが、悪いことは(というか、いろんな悪さ・悪巧み)は悪魔くんが仕掛けていたことらしい。
しかし、この天使さま少々乱暴で。
少女が水に溺れているときに、「助けろ!」と小南くんの背中を押した(というより飛び蹴りして小南くんを水ん中に突っ込んだ)のは、天使さまだったという。
おかげで小南くんは表彰されてクラスの人気者に。
(このシーンは、ファンの間では名場面として記憶されているのではないでしょうか)
そして悪魔くんは、小南くんにキスさせたりお酒の味を教えたり、成績落としたりいらんことをしまくってきたようで。
さらにこの悪魔くんはちょっと芸が細かい。
背中を飛び蹴りした天使さまの真似したり、ダジャレ言ったり…。
いずれにしても、小南くんは自分の分身である天使さまや悪魔くんの存在が信じられない。
なので、天使さまと悪魔くんは自分たちの力で時間を動かして、すでに1時間も遅刻していた小南くんを助けてあげた。これで、小南くんは二人の存在を信じることに。
ただ、この天使さまも悪魔くんも口が悪くて、明智先生の衣装が悪いだのなんだの文句垂れまくる。
そうこうしていたら麻生琴美さんという女性が明智先生の事務所にやってきて「大事な美少女・ユウコちゃん(14歳)が行方不明に。助けてほしい」と依頼します。
この依頼話の最中にも天使さまと悪魔くんは依頼者・麻生さんのことやら明智さんのことをボロカスにこき下ろし、悪魔くんはモップ振り回して飛ばしてしまったりいらんことをしまくってます。
人間には天使さまと悪魔くんの姿も見えないし言葉も聞こえないのですが、小南くんには聞こえてしまうし見えてしまうので、んもう小南くんはちょっかい出しまくる二人にハラハラしまくります。
ところで、麻生さんの大事なユウコさんとはどんな美少女なのか…。
その写真を見た悪魔くんは「なんじゃこりゃ?!」と叫びます。
(どっかで聞いたことあるセリフやぞ)
なんてこった、麻生さんが探して欲しいのユウコさんとは人間の美少女ではなく猫だった…。
「んな仕事断っちまえ!」と天使さまも悪魔くんがごちゃごちゃ言ってしまい、そのせいで麻生さんは怒って帰ってしまいます。
ああ、せっかくのお仕事が1つ消えてしまった…。
そこへ、財善金四郎の執事・西都左衛門と名乗る男性が相談にやってきます。
なんでも、怪盗ミケシュから「財善さんご夫婦の結婚記念パーティーに時価7億円のダイヤモンド・ブルースターをいただきに行く」と犯行宣言が届いたのです。
そして明智先生はいいます。
「明智先生か小南くんかどちらが先にこの事件を解決できるか勝負だ!」
それを聞いた小南くん、天使さま、悪魔くんたちは張り切って「やったるぜ!」を歌い踊ります。
- 美ニッキな錦織氏
さて、話を先に進める前に、子ニッキから美ニッキへ変貌を遂げた錦織氏をみてみましょう。
登場では角刈り+鉢巻姿の「魚屋カズキヨ」になっていてびっくりしたのですが、見ているうちに悪戯好きでちょっと皮肉れて、だいぶんエッチな悪魔くんに見えてきます。
1988年には春に「Silent Dancer」、夏にこのカプリッチョのテーマ曲である「What’s your name?」が出たところ。
少年隊の踊りはデビュー前でもすでに「今何したの?」と目玉が飛び出そうになるような、アクロバティックな物が多かったようです。
でもこの頃になると、アクロバティックな技術はもちろんのこと、ジャズダンス・モダンバレエのようなスキルが身について、3人とも自由に体を動かしてそれは美しい踊りを見せます。上記、「Silent Dancer」「What’s your name?」でも、成熟してキレキレになった踊りに「ドボン!」した人も多いでしょう。
多分、この頃の3人は体力もスキルも爆発的に上昇する時期だったのではないでしょうか。
そして我が愛しの錦織氏は、この年に少年隊から飛び出して「Golden Boy」というミュージカルに主演します。
カプリッチョの後にGolden Boy。
この頃のマネージャー(タムちゃんでしたっけ?)、どんだけハードなスケジュール組んだんじゃ、と怒りを覚えます。
ただ、ミュージカルの舞台に立った3年目、そしてGolden Boyの出演で鍛えられたのであろう錦織氏のセリフの声がよく通るのです。
よく通り、強弱もついて、そして緩急つけて、演技にメリハリが出てきます。
さらに、あの歌声。
艶やかでよく伸びるあの歌声が響くのです。
そして、ラジオでも炸裂していた下ネタ・ダジャレも、舞台で自由に出せるようになります。
すなわち、この頃からの錦織氏は、江戸川野郎+ミュージカルスターの素質を併せ持った、唯一無二の存在感を舞台の上で示していきます。
きっとこの頃になると、重ねてきた経験から、舞台で演じる「間」のようなものを掴み始めたのではなかろうか、と素人の私は感じています。少し余裕を持って、舞台を俯瞰的に見れるようになったのではないか、と。
こうしてみてみると、PZは少年隊の成長の記録でもあるのです。
私は錦織氏が好きすぎて、錦織氏のことばっかり語ってしまいますが、かっちゃんも東山氏もそれぞれ成長していきます。
こうした意味では、PZは1つひとつの作品が個性豊かに素晴らしいものであると同時に、全作品そのものが少年隊というグループの魅力が成長し、変化していく過程を捉えた大きな「作品」だと思うのです。
PZ全部で「少年隊」というミュージカルを制作されたのではないか、などと感じてしまってます。
そうした見方をするのは、私が年明けからPZを年代順に追ってみていったからなのかもしれませんが、リアルタイムでご覧になっていたファンの皆さんは、どう感じれるでしょうか…。
ああ、こうした少年隊の魅力を世界中の人に見てほしい。
少年隊の素晴らしさと、ミュージカルの楽しさをみんなに知ってほしい。
やっぱり、どうしても、絶対、デジタル配信して!
ぷりーず。
と、今回も同じセリフで締めさせていただきます。
文責:Ka