拍手しすぎて筋肉痛になった日について-「TARKI THE STORY」感激の観劇記
usagiさん、ぽんこさんが「TARKIE THE STORY」の感想を書いておられたので、私も拍手しすぎて筋肉痛になったあの日のことを、少しだけ記録に残しておこうと思い筆を取り(実際にはキーボードを叩き)ます。
■ かっちゃん、舞台演出するってよ
かっちゃんが演出!
音楽が船山基紀さん!
振り付けが名倉加代子さん!
ここまでの情報を知って私は「これ、PLAYZONEやん!」と心の中で叫びました。
そして、元宝塚の人たちが出演されるとか、MAXのNANAちゃんとかLINAちゃんが出演すると聞いて、心がウキウキしている時に「生演奏ですよ」という情報を知り、さらに心が踊りました。
というのも。
昨年「チョコレートドーナツ」を見に行った際、友人Aより「舞台で生演奏というのは本当にいいものなのだ」と解説をしてもらっていたのです。そして確かに「チョコレートドーナッツ」も舞台上で音楽が演奏されていて、それは美しい音色でもあり迫力を醸し出していたのでした(そしてヒガチの美脚に鼻血が出そうになりました)。
しかし、主役となるタアキイこと水の江滝子さんのことは皆目わからない。予習派の私はWikipediaぐらいしか検索することができず「一体どんなお話なのかしら」と思いつつ「でもこれ、PLAYZONEの人たちで作ってる舞台やもんな…」と考え、とりあえずチケットを申し込んだのでした。
■ タアキイと向田邦子
ところで。調べていますと、向田邦子『あ・うん』に以下のような場所があると知りました。
…相弟子と三人五人連れ立って、ターキーとオリエ津阪とどっちが好きかなどとしゃべりながら蜜豆を食べたりするのだが…
向田邦子(1983)『あ・うん』文春文庫 P.90より
これは『あ・うん』に登場するさと子さんがお見合い相手の辻村さんとの仲が深まり始める日の場面なのですが、私はこれを知って「この舞台は『あ・うん』の世界でもあり向田邦子の生きた時代なのか」とちょっと雰囲気を理解したのでした。私、向田作品大好きでよく読んでおりましてですね、向田さんの文章からは当時の男女観とか家族観、戦前・戦中の市中の雰囲気などが伝わってきました。
この時代の雰囲気を知りたい方は、向田作品読まれると良いかもしれませんよ。
■ 舞台の上は別世界
実は私、チケット3枚も当たりましてですね。仕事はちっとも終わってないしお財布が火🔥を吹くやらで大変でしたが、3枚も当たったのはこれは神の思し召しなので行くしかない!と思い上京しました。観劇したのは、2/15のマチネ、2/16はマチネ・ソワレの両方、すなわち千秋楽を観たのです。(ちなみに劇場に行く時間以外はホテルでひたすら仕事してました😭ああ、現実の惨さよ😱)
舞台中でも触れられていましたが、当時はまだ女性参政権が認められておらず、女性には自由のない時代。(日本の女性参政権獲得は1945年まで待たねばなりません)
髪を切ること、舞台で踊ること、晴れやかな衣装を着ること
こんなことは今の時代なら誰にでもできるのですが、当時はほとんどの女性には認められていませんでした。ですから、舞台の上で素敵に輝く女性たちの姿は、今私たちが舞台を見つめる以上に、当時の女性たちにとっては眩いものであっただろう、と思います。
どうしてそう思うか?
だって、現代を生きる私も、凰稀かなめさんが演じる「タアキイ」や彩凪翔さん演じる「オリエ津阪」、NANAちゃん演じる「笠置シズ子」見てこんな顔になりましたもの。↓
😍😍😍😍😍
いやもう、めっちゃ素敵やった…。
なんと言いますか凰稀かなめさんは「王様✨」な感じでした。手を広げてこちらを見つめウィンクされた瞬間、私、立ち上がって舞台に駆け登って抱きつこうかと思いましたよ。
いやもう、照明に浮き上がるタアキイの尊いことよ…。
神か仏かタアキイか、と思いました。
舞台の上は、令和ではなく昭和の時代。
舞台の上は、私とは異なる時代を生きた人の人生が広がるところ。
もう、本当に夢のような世界でした。
「今」という時間とは別の時間軸で異なる世界が広がるのが舞台。
「TARKIE THE STORY」を見終わって、私はそういう「別世界」の中に身を置きたくて劇場に足を運んだような気がしたのでした。
■ メンズもすごいよ
凰稀かなめさんや彩凪翔さんの色男ぶりに鼻血を吹き出しそうになる思い出舞台を見つめていましたが、男性陣も素敵でした。
根津刑事さん(村田洋二郎)さんは3回とも、アドリブでめっちゃ面白い場面を作ってくださいまして。転げた瞬間のお膝は大丈夫だっただろうかと若干心配になりつつも、咄嗟の判断でセリフを生み出し観客を煽る凄さにドキドキしました。
坂元健児さん(兼松廉吉)の「死ぬなよー」には涙溢れそうになりました。
そして遠山裕介さんも一緒にタキシードに着替えて歌い踊られる際のこりゃまた男前なこと❤️ええ声〜!って掛け声かけたい気持ちでした。
また、室たつきさん演じる「青山圭男」は、可愛らしくもあり頼もしくもあり。めっちゃ魅力的で「お友達になりたい…」と思いました。
■ かっちゃんとPZと「TARKIE THE STORY」
今回はスタッフの皆さんの中にPZ関係者の方がたくさんおられたようです。特に印象的だったのは照明。大掛かりなセットはなくても背景に浮かぶ風景や映像で、物語の場面を描き出していました。PZでも、舞台と映像がうまく組み合わさって、面白い効果を生み出してたように思います。
そして振り付け!名倉先生(→面識はないが先生と呼ばせてもらいます)の振り付けのゴージャスなこと。この振り付けを自分のものにして舞台の上で素敵に踊られる皆さんのこりゃまた凄まじい美しさ。元宝塚の皆さんの姿勢の美しさにドキドキしつつ、皆さんの鍛えられた背中の筋肉を見て、贅肉に包まれた我が身を呪ったりもしましたが😭、いやもう、ほんとうに美しかった。
また、かっちゃんの凄さに感動もしてました。
演出の大変さは私にはわからないことだらけですが、あのPZという大舞台で、演者としてだけでなく作り手としてかっちゃんが長年経験してきたことが、この舞台に生きているんだろうなあ、と思いました。
そう。単なるレビューに留まらず、あの時代の困難やエンターテイメントに心血注ぐ人たちの情熱まで描き切るのは、演者の皆さん、裏方の皆さんのパワーが集結されたからこそ。そして長年舞台に関わってきたかっちゃんの経験値がそのパワーを爆発させたのだと思ったのでした。
■ なぜ舞台を見るのか。そこに舞台があるからだ。
困難な状況の中でエンターテイメントの火を灯し続けること。
これは戦時中恐ろしく大変だったと思います。本当に、戦争だけは二度と繰り返してはいけない。世界規模で平和を大事になくては、としみじみ思います。
そしてコロナ禍でのエンタメの困難は同様です。表現することや、楽しいこと、美しいことが制限されることは本当に悲しい。この作品は昭和を描いていたんだけど、今の時代だからこそ演者の皆さんの熱意もパワーアップして、舞台の上がさらに煌めいたのではないかと感じました。
んもう、上演中も音楽に合わせて手拍子(できれば私も踊りたかった)、場面が終わったら拍手、終わったら拍手、アンコールでは涙流しながら拍手しました。拍手するたびに「なぜこんなに二の腕が揺れるのか(それはそこに贅肉があるからだ)」と疑問を感じつつ、手を叩き続けました。そして翌日、肩と腕が痛くなりましたが、それも幸せなひと時を過ごした証拠。
それにしても、少年隊の沼にどっぼーんとスプラッシュしてから劇場に足を運ぶ機会が増えました。
ちなみに、いかにして沼に「どっぼーん」とスプラッシュしたのかはこちらからどうぞ🤣
これからももっともっと舞台見たい。
早くコロナが落ち着いて、いろんな舞台を見れますように!
そして。舞台の魅力を教えてくれた少年隊ありがとう。
今回の舞台を作り上げてくださった皆さん、本当にありがとう。
これからも舞台を観に行って、筋肉痛になるほどの拍手を送り続けられる人生を歩みたいなあ、と思います。(まずは筋トレ頑張ります)